9月9日、FNAは「国産人型ロボットメーカー視察シリーズ」として、上海鈦虎ロボット科技有限公司への工場見学会を開催いたしました。在中国日系企業の工場長・生産改善責任者など30名の皆様にご参加いただき、実機生産ライン・テスト現場の見学、中国産人型ロボットの応用事例と中国ロボット市場動向のご紹介、そして活発な質疑応答・情報交換が行われました。詳細レポートは、後日FNA公式WeChatアカウントおよび公式サイトにて配信いたします。ぜひフォローのうえ、続報をお待ちください。
小鵬(XPeng)、世界初の高度汎用人型ロボット向け自動化ラインを稼働——初号機が自らの足でラインを歩み出る
9月8日、小鵬は自社設計による人型ロボット自動化生産ラインを正式に稼働させ、同ラインで自動化による最終組立を完了した初号機「IRON」が、搬送されることなく自らの足でラインを離れ、カメラの前に歩み出た。最終組立を経て自律的にラインオフした高度汎用人型ロボットは世界初(同社発表)となる。コア工程の自動化率は80%超で、自動車産業の品質体系をロボット精密製造に導入し、車載グレードの一貫性基準で量産品質を管理する。最新版IRONは身長約170cm、全身76自由度(片手21自由度)、3基の自社開発AIチップ「図霊」で2,250TOPSの有効演算力を備え、2026年末に本格量産に入り、2027年に中国および海外市場へ出荷する計画。(9月8日 鳳凰網)
智元機器人、1日に2つの基盤モデルを発表——「見ながら動く」感覚・制御一体モデルと「学ぶほど上手になる」世界—動作モデル
9月9日、智元機器人は「AGILE2.0」感覚・制御一体モデルと「GE-Act 2.0」ネイティブ世界—動作モデル(WAM)を同日に発表した。AGILE2.0はロボットが「見ながら考え、見ながら動く」ことを可能にし、GE-Act 2.0は視覚表現・未来生成・動作予測の全パラメータをエンボディドデータで一から学習。データ規模を100倍に拡大すると、タオル畳み・紙コップの積み重ね・ペンキャップの抜き差し・生け花といった未学習の精細作業がゼロショットで実行可能になることを実証し、世界—動作モデルのスケーリング(規模拡大)経路が初めて体系的に検証された。タスク成功率もG1-OPで17.1%→44.1%、G2-90Dで13.4%→31.1%へと大幅向上。エンボディドAIにおいて「データを積み増すほど技能が広がる」ことが実証された意義は大きい。(9月9日 上観新聞)
優必選(UBTECH)、1.5億元で楽山の商用サービス人型ロボットプロジェクトを落札——2026年上半期のフルサイズ機納品は921台に
9月9日、四川省楽山市公共資源交易信息網の開示情報によると、優必選が四川楽山の商用サービス人型ロボット産業項目を1.5億元で落札したことが伝えられた。なお、同社が8月28日に発表した2026年上半期の業績では、総収益12.7億元(前年比+104.2%)で人型ロボット企業として世界首位、人型ロボット総販売台数は16,123台(同+268.3%)で世界首位を獲得。うちフルサイズ具身知能人型ロボットは収益5.9億元(同+1,445%)、販売台数921台(同+1,946.7%)と、収益・台数ともに世界トップに立った。大和証券は9月9日付で「買い」評価を継続し、人型ロボットの商用化の勢いが増していると指摘した。(9月9日 東方財富)
服貿会(CIFTIS)が北京で開幕——人型ロボットが集中出展、応用シーンが日常へ拡大
9月9日から13日まで、中国国際サービス貿易交易会(服貿会)が北京・首鋼園で開催されている。会場では多くの人型ロボット・AI応用が集中展示され、文化財解説から店舗運営アシスタント、物流配送まで、スマート製品が現実のシーンに浸透しつつある様子がうかがえる。数字華夏(深圳)科技の着物姿の擬真ロボットは30種類以上の表情で文化財を解説し、すでに展示会・銀行・高齢者施設・学校などで稼働中。広東智動未来科技のロボットは飲料・軽食の販売・自動ピッキング配送を実演し、深圳肯綮科技は登山・徒歩・サイクリングなどに対応するπシリーズAI外骨格ロボットを出展している。(9月9日 中国証券報)
小鵬汽車(XPeng)
9月8日、世界初の高度汎用人型ロボット向け自動化生産ラインを稼働。コア工程自動化率80%超、車載グレードの品質体系を導入し、初号機IRONが最終組立後に自律歩行でラインオフ。8月24日に完了した初回9億ドル超の資金調達(投資後評価額63億ドル超)と合わせ、2026年末の本格量産・2027年の国内外出荷に向け製造・資本の両輪が整った。(9月8日 鳳凰網)
優必選(UBTECH)
9月9日、四川楽山の商用サービス人型ロボット産業項目を1.5億元で落札。8月28日発表の2026年上半期は人型ロボット総販売16,123台(前年比+268.3%)で世界首位、フルサイズの具身知能人型ロボットは921台を納品し収益5.9億元(同+1,445%)を計上。工業用Walker S2に続き、商用サービス領域でも政府調達案件を獲得し、応用領域の広がりを示した。(9月9日 東方財富)
智元機器人(AgiBot)
9月9日、AGILE2.0感覚・制御一体モデルとGE-Act 2.0ネイティブ世界—動作モデルを同時発表。データ規模100倍の拡大で未学習の精細作業がゼロショットで実行可能になることを実証し、量産機に搭載する「頭脳」の進化をデータのスケーリング則で支える道筋を示した。タスク成功率はG1-OPで17.1%→44.1%に向上。(9月9日 上観新聞)
宇樹科技(Unitree)
9月9日開幕の2026外灘大会(上海)に人型ロボットを出展。会場では星動紀元・銀河通用・傅利葉・智元などと並び、精密組立・部材搬送・倉庫仕分けなどの工業タスクをこなす実力を披露した。科創板(STAR市場)上場後、大型展示会に登場する機会となり、「物理AI」が実産業に浸透する姿を示す舞台となった。(9月9日 新浪科技)
銀河通用・星動紀元
外灘大会の1.5万㎡のテクノロジー展示エリア(出展社数は300社超)で、銀河通用はコネクタ挿入・把持などの両手協調作業を、星動紀元は模擬生産ラインでの精密作業をそれぞれ実演。実験室のデモから実際の産業導入へ移行するエンボディドAIの到達点として注目を集めた。(9月9日 新浪科技)
テスラ(Tesla)
9月9日付の報道で、テスラがコアとなる「Tチェーン」サプライヤーに対し、Optimus人型ロボットの部品約5,000台分の一括発注を行ったことが伝えられた。これまでの数百台規模の試作発注から、初めて数千台規模の調達に移行。フリーモント工場の関連ラインは7月に立ち上げ調整を開始、8月中旬に初期試生産を完了し、現在は歩留まり改善段階にある。(9月9日 網易)
京東物流、今後5年で300万台のロボットを調達へ——物流需要が産業を下支え
9月9日、「2026京東全球科技探索者大会」において、京東物流が2025年10月に初公表した「今後5年間で300万台のロボット、100万台の無人車両、10万台のドローンを調達する」計画を改めて確認したことが伝えられた。倉庫・配送の自動化を一段と加速させる大規模な需要側のコミットメントであり、完成機メーカーから部品サプライヤーまで、産業チェーン全体に長期的な受注の見通しをもたらす。物流は人型・移動ロボットの最大級の応用市場の一つであり、大手ユーザーによる調達計画の明確化は量産投資の追い風となる。(9月9日 財聞網)
愛仕達(ASD)がストップ高——人型ロボット有力企業との協業が実施段階に
9月8日、炊飯器・調理家電大手の愛仕達(002403.SZ)がストップ高となった。中核の調理家電事業の上半期国内売上高が前年比約2割増と堅調に推移する一方、人型ロボット分野の有力企業・智元機器人との協業が実施段階に入り、高成長の人型ロボット産業への本格参入が材料視された。産業用ロボット事業も本体開発に注力し出荷量は高成長を維持。家電製造の量産ノウハウを持つ企業がロボット産業チェーンに流入する動きが広がっている。(9月8日 新浪財経)
微分智飛、数億元のA2輪融資を完了——エンボディドAIの投資熱が「空」へ拡大
9月9日付の報道で、空中ロボットの微分智飛(杭州)科技が数億元のA2ラウンド資金調達を完了したことが明らかになった。普華資本がリードし、弘暉基金・長江デルタ数智文化基金が共同出資、五源資本・深創投・洪泰基金など既存株主も追加出資。環境認識・タスク理解・経路計画・行動決定・飛行制御を統一モデルに組み込み、GPSに依存しない環境、通信が不安定な環境、低照度の複雑環境に対応し、緊急対応・鉱山・電力の各シーンに導入済み。エンボディドAIへの投資が地上ロボットから空中へと広がる流れを象徴する案件となった。(9月9日 網易)
港股通の新リストに具身知能チェーンが「全チェーン」で初登場——資本市場の窓口が川上から川下まで開く
9月上旬、港股通(香港経由の株式相互取引)の新規銘柄リストについて、具身知能産業チェーンの企業が初めて「全チェーン(川上から川下まで)」の形で並んだことが注目された。完成機からコア部品までを投資対象として一括してカバーできる体制が整い、香港市場経由で中国ロボット産業に資金が流入しやすくなる。上場企業の資金調達力強化は、量産設備投資と部品調達の拡大を通じてサプライチェーン全体に波及する見通し。(9月8日 新浪港股)
服貿会に新顔続々——擬真ロボット・自動販売ロボット・外骨格が生活シーンに浸透
9月9日開幕の服貿会では、数字華夏(深圳)科技の30種類以上の表情を持つ擬真ロボット「掌櫃」が文化財解説を披露し、展示会・銀行・高齢者施設・学校での実用実績をアピール。広東智動未来科技のロボットは注文から自動把持・配送までをこなす飲料・軽食販売を実演した。また、深圳肯綮科技はπシリーズAI外骨格ロボットを出展。着脱・折りたたみが可能なモジュラー構造で、最大抵抗トルク15 Nm。登山・徒歩・サイクリング・ランニングなどのアウトドアシーンに幅広く対応する。ロボットの応用が工場から日常生活の隅々へと広がりつつある。(9月9日 中国証券報)
杭州で具身知能・人型ロボット展が開幕——350社超が集結、長江デルタの産業エコシステムが一堂に
9月10日から12日まで、杭州国際博覧中心にて「2026杭州国際具身知能・人型ロボット展覧会」および「AI Show 2026(杭州国際人工知能応用・ロボット革新博覧会)」が開幕した。展示面積は合計3万㎡規模、出展ブランド数は350〜500社、専門来場者は5万人規模を見込む。減速機・ボールねじ・視覚センサーなどのコア部品から、工業製造・医療・介護・都市管理などの応用シーンまで、産業チェーンの川上から川下を10分野で網羅する。全国で初めて具身知能ロボット産業の立法化を行った都市である杭州は、2027年までに産業チェーン工業総生産額500億元超を目指しており、今回の展示会はそのエコシステムの集積度を示す場となる。(9月10日 会展網)
「量産の壁」の正体——競争の舞台が「つくる技術」から「つくり続ける体系」へ
今週最大の話題は、9月8日の小鵬の自動化生産ラインの稼働だった。注目すべきは、ロボットが何か芸当を見せたのではなく、「ロボットをつくるライン」そのものが主役になった点だ。コア工程自動化率80%超、自動車産業の品質体系の導入、車載グレードの一貫性基準——これらはすべて「数百台、数万台を同じ品質で安定して複製する」ための仕組みである。1台の試作機が複雑な動作をこなすことと、1,000台の製品が高い一貫性を保ちつつ製造コストを抑えることは、まったく別の問題だ。今週の発表は、中国の人型ロボット競争が「性能発表の季節」を終え、「製造体系の季節」に入ったことを告げている。
「量産の壁」はハードだけの話ではない。9月9日に智元が発表したGE-Act 2.0は、データ規模を100倍にすれば未学習の精細作業が次々と実行可能になることを示し、「頭脳の量産」——つまりデータとモデルのスケーリング則——が本体の量産と表裏一体であることを証明した。同じ9日、優必選は上半期のフルサイズ機出荷921台という実績と、楽山での1.5億元の商用サービス案件落札を並べて見せた。工業用から商用サービスへ、政府調達という確かな需要を取り込みながら量産の出口を広げる戦略だ。京東物流の「5年で300万台」という調達計画は、こうした量産投資を下支えする需要側からの強いシグナルである。海外ではテスラが約5,000台分の部品一括発注に踏み切り、米中の先頭集団が同時に「製造の壁」に取り組み始めた。
もう一つ見逃せないのは、北京の服貿会と上海の外灘大会、杭州の具身知能展が同じ週に重なったことだ。服貿会では擬真ロボットや外骨格が生活シーンへの浸透を示し、外灘大会では「物理AI」という言葉が頻出し、銀河通用や星動紀元が実産業の作業を実演した。展示会が「技術のお披露目会」から「受注と導入の商談の場」へと性質を変えつつある。港股通への具身知能チェーン全体の登場も、資本市場がこの産業を一本の産業チェーンとして正式に認めたことを意味する。
日系企業への示唆は三点ある。第一に、「量産の壁」は日本のものづくりが最も得意とする領域だ。車載グレードの品質管理、精密組立、一貫性保証、検査・トレーサビリティ——これらは日本の自動車・部品産業が数十年かけて磨いた体系であり、中国のロボットメーカーが今まさに求めている能力と重なる。ライン構築・検査装置・品質保証のノウハウを持つ企業にとって、協業の大きなチャンスが開かれている。第二に、需要の裾野が「工場」から「街」へ広がっている点だ。商用サービス案件や物流の大規模調達、擬真ロボットや外骨格の実用化は、人工皮膚、小型高出力関節、装着性に優れた部品・素材など、日本の素材・精密部品企業が参入しやすい需要を生んでいる。第三に、資金の流れである。港股通の全チェーン化と融資ラッシュは、中国の産業チェーンの設備投資・部品調達が今後さらに拡大することを示しており、供給者として早期に関係を築くことが競争力になる。
「つくれる」はもう前提になった。これからの1年は、「つくり続けられる者」だけが次のラウンドに進める。量産の品質、データの循環、そして街に広がる需要——この三つをどう組み合わせるかが、2026年後半の勝敗を分ける。
FNA 2026年版 中国産業用ロボット市場調査総覧
7月31日より好評発売中
本レポートでは、産業チェーン全体の需給マッチングの実態、コア部品(減速機・モーター・ボールねじ・力覚センサー等)の市場規模、安全規制の動向、グローバル展開戦略、および日系企業の参入機会とビジネスチャンスを多角的に分析します。
本レポートの注目ポイント・産業用ロボット産業チェーンにおける市場機会を徹底分析
・【年度特集】ヒト型ロボット量産元年によるコア部品市場の急拡大
・日本企業の対中ビジネス戦略と今後の方向性を明確化
・日系自動車サプライヤーによる川上領域参入の成功事例を解説
変化の速い中国ロボット市場を戦略的に捉える必携の一冊です。
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